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福岡美術 vol.1 高島野十郎のまっき。2008/7/02

Category:Other

どうも、第二営業部のMです。

先週、持ち物(主に本等の紙類)が増え続けていることに気づき、こりゃいかんと大掃除を致しました。
正直、まだ完璧に終っていませんがとりあえず30冊ほどの本を古本屋へ???

さようなら活字達。

前の引っ越しの際かなりの漫画と本を捨てたはずなのにまた少しずつ増えていっている。
危険です。
愛の告白でさえ電話回線にのって液晶画面に映し出される時代
環境保全の為にも、これから私も自重しなければなりますまい。

掃除を進めていくと、高島野十郎の作品集が???
いつのまにか、掃除していたことなど忘れ久しぶりに見入ってしまっていました。

福岡に来て初めて福岡市立博物館に行った時のこと。
出迎える大好きな彫刻家アントワーヌ?ブールデル
「雄弁」「力」「勝利」「自由」という
四つの彫刻(すべて4m近くある巨大な作品)に圧倒され中に入ると
2Fでひっそり、ある作家の没後30年展示が行われておりました。
福岡県久留米出身の画家
高島野十郎の絵画展です。

当時私は彼の名前すら知らない、知識がまったくない状態だったのですが
生まれて初めて絵画展で感情が高ぶり、涙をながしました。
それほど作品に心うたれました。
今では大好きな作家の一人です。

?燭や月といった晩年に選んだ光のモチーフや
今で言う東大農学部を卒業して画家になったという経歴から
「光を蒔いた画家」や「炎の画家」などとよばれる一方
「世の画壇と全く無縁になる事が 小生の研究と精進です。」
という言葉通りどこの画壇にも属さず、
ひたすら自分の写実をみつめ描き続けたので
「孤高の画家」とも呼ばれています。

彼の植物の絵が好きです。
花弁、雌しべ、雄しべ、葉の一番先端が水を失って曲がっている様
植物への様々な感情が小さな絵の具の粒子に入り
キャンバスに張り付いているように
執念深い作品たち
美しく、痛々しい。
彼は植物や炎の代弁者のつもりだったのかもしれません。

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画家、高島野十郎は
沢山の報酬をもらうことなく清貧の生活。
生涯独身
たったひとりでひっそりと
絵を描き続け
85歳でこの世を去るまでそれは続き
長い間、彼の執着である作品たちは人知れず眠っていました。
とある美術番組に取り上げられたり、劇作家の本で取り上げられるまで。

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人に知ってもらう
人への見せ方を考える
そういうことを彼が出来たならと
仕事柄か
ふと思うことがあります。

でも、彼がそのようなことを器用にやってのける人物だったのなら
私は彼の展覧会で涙を流すことはなかっただろうとも思うのです。

そんなこんなで時間は過ぎていき
私の休日はなくなってしまったわけです。
ちょっぴり暗い、私の休日のお話でした。

株式会社エーワン 第2営業部 M